「しっぽのないシッポさん」のコラム

子育ては思い出づくり③ばんどんどん


小さな危ない体験が大きな危険から身を守る

「ばんどんどんとってえ!」。転んだ、ぶつかった、落ちた…、毎日のようにすり傷や切り傷をつくっていた息子は、ばんどんどん(救急絆創膏のことを幼い息子はこう呼んでいました)を貼って欲しいと言っては、どこにあるのか分からない傷も含めてよく見せに来ていました。時には「いたいのいたいのとんでいけえ」のおまじないと「ばんどんどん」だけでは間に合わず、医者のもとに駆けつけることもありましたが…。
ハイハイ、立っち、よちよち歩きに留まることなく、子どもは成長とともに自分の世界を広げてゆきます。家の中にもお風呂場やキッチンなどキケンな場所はたくさんありますが、ましてや家の外となると「あぶない!」ことは数え切れません。親はますます目を放せなくなり、あれもこれもいけないと口うるさくなりがちです。そんな時「小さなケガは子どもの冒険の証し、絆創膏はメダル。親の仕事は見守ることよ」とアドバイスしてくれたのは、先輩母さんでした。「わたしも同じことを言われてね」と添えられた一言に、子育ての知恵の受け渡しを感じたことでした。今から四半世紀以上も前のことですが、今度はお母さんからおばあちゃんに進化?した私が伝える番です。
つい先日、息子が3歳になったばかりの孫に「ばんどんどんしようね」と声をかけているのを目撃(!)しました。手にはアンパンマンが手描きされた救急絆創膏が。知恵は進化形で引き継がれたようです。

コラム掲載年月日「おはよう アサヒ」2010.9.12〜2011.3.13


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

名前*
メールアドレス*
ウェブサイト
コメント

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>