「しっぽのないシッポさん」のコラム

子育ては思い出づくり⑤わかめ


子どもと早春の息吹を探しにいこう

「クイズでぇす、おフロにはいるとみろりいろになるものはなぁんだっ!」―答えは「わかめ」。褐色の生わかめは、湯通しすると目にも鮮やかな緑色に染まります。鍋をのぞき込んで「わあ!」と驚きの声をあげていた娘は、それがよほど印象的だったのでしょう、会う人ごとに手づくりクイズを出してはその感動を伝えていました。
子どもたちが小さかった頃のこと、夫の勤務の関係で日本海沖の見島(みしま)で生活をしていたことがあります。冬は定期船も欠航してしまうほど海が荒れることも珍しくありません。でも、大寒の寒さの中でも海面の下では早くも春が芽吹いているのです。娘はお父さんと一緒に、はげしい波に洗われ打ち上げられているわかめを拾ってきては「はい」と渡してくれていました。その顔の得意げなこと!また、早春の息吹はわかめだけではありません。磯辺の岩場では潮が引けばひじきや青のりなどの新芽を摘み取ることもできます。さすがに足場は危険!ですので、眺めるだけで満足。
わかめはさっそく朝ごはんに添えられました。定番の油あげと豆腐の味噌汁に春の磯の香りが新鮮です。娘は「わたしがとったのよぉ」と、満面の笑みでお代わりをしていました。このわかめ拾いにはその後生まれた息子も加わり、我が家の迎春行事になりました。
島での生活は、子どもたちに大自然のきびしさと豊かさを学ばせてくれました。感謝!

コラム掲載年月日「おはよう アサヒ」2010.9.12〜2011.3.13


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