「しっぽのないシッポさん」のコラム

専門学校落書⑧ ‐若者は育つ‐


 「近頃の若いもんはなっちょらん!」どころか「勉強している!」のである、と申しあげたが、確かに「なっちょらん!」ところも多々ある。挨拶ができない、ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)がない…等々。しかし、「なっちょらん!」と嘆くだけでは、「近頃の若いもん」は育たない。
 「なっちょらん!」と決めつけバツ(×)にするのではなく、どうすればマル(○)になるのかヒントも必要であろう。例えば、「返事がないと、私が呼んだ声が聞こえたかどうかわからなくてイライラするの。呼ばれたら返事は必要です。返事も挨拶の内ですよ」などは、私がよく口にするメッセージである。言わなくても、その位のことは分かって当然…、そこまで言わんとわからんのか…。さまざまな意見があると思うが、彼らの行動を望ましい方向に導くために、その方向性を示し考えさせることはいけないことではないだろう。
 突き動かされるように学んでいる学生の姿に、私は、彼らが「まだまだ育ってゆく」ということを信じられるのだ。問われるのは、むしろ「近頃の中年もん」の方であろう。

コラム掲載年月日「山口新聞」1998.9.3~1998.10.29:文中の名称は「当時」


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