「しっぽのないシッポさん」のコラム

育自② ‐育自の原点‐


 自分育ての第一歩。この第一歩を踏み出すまでに、結果として、6年という準備期間を要したといっていいだろう。そして、その原点は「胎動」にあったとも。
 あれは不思議な思いだった。我が身の内にありながら我が身とは関係なく、別の意思を持って動きまわっている全く別の存在…。子どもは成長してゆく。いつまでも親を必要とするはずもなく、少なくとも、必要な時以外は必要としなくなるだろう。はたして、子どもが成長するほどに、親は成長できるのだろうか。親として成長するということは、どういうことなのだろうか。子が人の子ならば親も人の子ではないのか。
 次から次へととりとめもなく考えているうちに、私は「なにを学ぶのか」ということは抜きのままで突然「いつか大学にいこう!」と決心してしまったのだ。私は父が早く死んだこともあり、経済的には1日も早く社会に出る必要があった。また、なによりも学力的にとうてい無理だったこともあり、大学進学は自分とは関係ないものとして考えていた。
 しかし、その後しばらくは、母親業という戸惑いと喜び、忙しさの中に埋没し、それをたっぷり楽しんでいた。

コラム掲載年月日「山口新聞」1996.11.1~1996.12.27:文中の名称は「当時」


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