「しっぽのないシッポさん」のブログ

~なのに/~だから


10代で「ママ」と呼ばれるようになった女性の話です。

1歳になりました。横一文字のフルーツケーキでお祝い!

高校時代に同級生を好きになったことから妊娠し、子どもを生むことを選択しました。

通学していた高校は退学しました。

勉強の方は「定時制や通信制もあるので続けようと思えば続けられる…」という周囲の声もありましたが、「学校を辞めたり子どもを産んだりで…」と気持ちの余裕のなさから「難しかった」ようでした。

ひょんなことから私と「ママ」の出会いがあり、「今からでも勉強できますか?」と聞かれました。

母親になってから30代の前半と後半に勉強し、

40歳を目前にして本格的に社会参加した経歴に興味を持たれたからのようでした。

自分の実家での「親子で育ててもらっているっていうか…」という毎日の生活の中で、

子どもの成長する姿に励まされ「自分もなんとかしたいと思うようになった」とのこと。

「ママ」のお父さんもお母さんもバリバリ仕事をこなしている現役でした。

子育てをしながら、忙しい母親を手助けする中で「ママ」も自分の母親のように「働きたい」という思いをもつようになったのです。

その後、通信制で単位を補い高校を卒業し、子どもが幼稚園に入ったのをきっかけにアルバイトとパートで入学金と授業料の一部を貯め専門学校に入学しました。

福祉系の資格を取得し福祉施設にパートで就職、数年後に本採用となりました。

今では中堅として誰れからも頼りにされる存在です。

つい先日、本当に久しぶりに会いました。

私にすれば「えっ、そんなこと言ったっけ?」なのですが、

「シッポさんは私に高校中退でシングルマザーなのによく頑張るねじゃなくて、高校中退でシングルマザーだからよく頑張れるんだね、と言ってくれたんですよ」と、初めて出会った頃のことを思い出させてくれました。

ちょっとしたことばの違いですが、「~なのに、よく頑張れるね」よりも「~だから、よく頑張れるんだね」と言ってもらった方が、「ママ」は元気が出たそうです。

「~なのに」は「皮肉を言われているようで、ちょっとやさぐれたこともあったんですよ」とも言っていました。

人生は右肩上がりだけで進んでゆきません。

突然、足元が“『破れ』(南,2001)”※落ちたとしかいいようのない経験をすることもあります。

それをどのように受けとめるかは、本人のみならず周囲にとっても大切なことです。

「ママ」の失意とこれまでの成長の日々は、多くの「~なのに」族を「~だから」族に導きました。

これからも大変なときこそお互いに「~だから」族でありたい、と改めて思ったことでした。

※生涯発達心理学の立場から提案された概念。
成人期以降の“発達を機能の向上としてではなく、安定した構造の『破れ』から一時的な混乱を経て再び新しい構造ができていく、構造の更新(renewal)のプロセスとして捉え直すこと”を基本的な枠組とする。


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