「しっぽのないシッポさん」のブログ

インド・ネパール旅行記⑦-ブッダが愛でた都バイシャリを訪ねて・その1‐


旅行5日目(2012.12.21・金)。

コルカタ(西ベンガル州)からブダガヤ(ビハール州)へ移動した私たちは、

昨日(20日)、

ブッダ在世中に栄えていたマガダ(Magadha)国の都ラジギール(Rajgir)へ来ました。

ラジギールはガンジス河(the Ganges)の南に位置し、

また、温泉も湧出しているとかで水着着用で沐浴もできる温泉寺院もあるところです。

ラジギールを取り囲んでいた城壁を見学した後、

一端、ラジギールを出てナーランダーへ行き、

仏教大学跡で往時のキャンパスのにぎわいを偲んで戻ってきました。

引き続き、

ラジギールで七重の牢獄跡→霊鷲山(りょうじゅせん)を参拝・見学し、ホテルに入りました。

 

ベッドサイドの枕頭台引き出しの中には、聖書ならぬ仏典が‐英・日併記‐

一夜明けての今日は、

竹林精舎→ガンジス河にかかるマハトマ・ガンジー・ブリッジを渡り、バイシャリ(Vaishali )へ→昼食→僧院跡→仏塔跡→王宮跡を参拝・見学です。

朝食後、

専用バスで5分、ラジギールの北側にある竹林精舎(Venuvana Kalandakanivapa)へ(7:15)。

 

 

 

 

竹が寄り添い一本の大きな樹木のように、その下に日陰をつくり出す

竹林精舎は、

ラジギールの有力者であった迦蘭陀(カランダ)が自分の所有していた竹林を寄進し、

王ビンビサーラがそこに伽藍を建立した仏教界最初の僧園です。

朝早いということもあってか、あたり一面が霧に覆われていました。

タイ仏教寺院の前でいつものように参拝を終え、

改めて、辺りを見まわしてみると、

竹林精舎跡は公園として整備されていることが分かりました。

中央には、そのほとりに仏像を安置した「沐浴の池」が水をたたえていることも見えてきました。

竹の苗を育てる-次世代の竹林のために-

僧たちが沐浴をした当時のものではないにしても、

修行の合間に汚れを落とし涼をとり一息ついた僧の様子が感じ取れるようでした。

また、竹林は私がイメージしていたうっそうとしたものではなく、

竹が寄り添い一本の大きな樹木のように立っており、

その下に豊かな日陰がつくりだされるであろうことが分かります。

さて、竹の寿命は約50年です。

仏教紀元2500年の1956年に植えられた竹はそろそろ寿命を迎え、

枯れたものも多くありました。

 

公園の奥には竹を育てる苗床も整備され、

水遣りが終わったばかりでしょうか、鮮明な赤い土の色が目に入りました。

竹林に限定されませんが、

継承は、受け継ぎ伝えてゆくための日々の営みがあってこそのものだといえるでしょう。

 

竹林精舎を出て(8:00)、5時間余り。

私たちはガンジス河に架かる長さ5.85km(全長約8km)のマハトマ・ガンジー・ブリッジ(1982)を渡り、

北岸にあるバイシャリに到着しました(13:55)。

ブッダ在世当時の北インドは、マガダ国やコーサラ(Kosala)国、

その属国であるシャカ(Syaka)族の国※1をはじめ、

16の小国に分かれていました。

そのひとつがリッチャビ(Licchavi)族の国であり、

その都がバイシャリです。

ブッダが出家後初めて修行したところですが、

それからも何度も訪れては逗留しています。

そして、これが最後と悟って霊鷲山を出て故郷カピラヴァスツ(Kapilavastu)に向かう途中ここに寄り、

後にするとき、名残を惜しんだといわれる「見返りの丘」がある地です。

「見返る・振り返る」という行為は、

そこに思いを残したればこそのものでありとても人間的なものです。

ブッダ、つまり、悟りを得た者ではあっても、

なお、一人の人としての感情を垣間見せたとも思える「見返りの丘」は、

私にとってぜひとも行きたいところでした。

事前に手にした旅程表にその予定はありませんでしたので了解済みでしたが、

こうして振り返ってみると改めて行ってみたいと思うようになりました。

ブッダの導く修行は、修行する者が生死を彷徨うよほどの苦行ではありませんが、

修行する者が自分を甘やかせることができるほど放漫なものでもありません。

一日を生き抜くに必要なものは、それが食べ物であれ水分であれ最低限ではあっても保障されてこその修行です。

 

マンゴーの実は栄養と水分だけではなく、その木は日陰も提供してくれる

そのひとつに果物のマンゴーがあります。

バイシャリは、ここを訪れたブッダに猿の王がマンゴーの蜜を奉げたというエピソードのある「­猿王奉蜜の地」の舞台です。

また、華麗なダンサーでもあり遊女でもあったアムラパリ(Amrapali)がブッダにマンゴ-園を寄進してもいます。

後に、ブッダの教えに感銘して尼僧に­なり、その後も、この地に住み続けました。

添乗員氏の説明にもありましたが、

贅沢をいわなければ「マンゴーは、その実ひとつで一食分が満たされる」ほど栄養豊かなものです。

暑さから適度に身を守ることのできる竹林と沐浴場、飢えと渇きを癒すことができるマンゴー…

 

食後のデザートというよりは、食事の一部 -バナナとマンゴー-

バイシャリが、修行に専念できるところであったことが分かります。

「バイシャリの町は美しい、人生とはなんと甘美­なものよ。」

ブッダのことばだといわれています。

ブッダはこのことばを口にし、

バイシャリを後にしたという逸話が伝わっています。

 

 

バイシャリは、ブッダにとっても修行する者にとっても、今日でいうところの安全・安心の場だったのでしょう。

 

さあ、これから少し遅い昼食です。

一服が終わり、これから僧院跡→仏塔跡→王宮跡を参拝・見学です。

次回をお楽しみに!

※1シャカ(Syaka)族の国:ブッダの晩年にコーサラ国によって滅ぼされ、16の小国(十六王国)はマガダ王国として統一された。

 

 

 

 

 

 

 

 


この記事へのコメント

  1. ピアのっこさん より:

    シッポさん、
    日曜日の午後7時
    時間を決めてアップされるブログ、
    本当に素敵です。

    7時前頃から、
    もう少しだな…!と待っていました。
    霧に覆われた竹林精舎跡
    寄り添って、一本の大きな樹木のようになっている竹
    心が洗われるようです。

    見返りの丘、是非とも行ってみたいところですね。
    ピアのっこさんにとっての見返りの丘、
    また、思いを馳せてみたいと思います。
    今日はこの辺りで失礼します。

    次回も楽しみにしています。

    • シッポさん より:

      ピアのっこさん

      「 … 待っていました。」に、感謝です。

      現地に行ってみて、自分がイメージしていたものに気づかされ、そして、修正される…、

      旅のだいご味でしょう。

      IT社会ですから、動画も含め事前に多くの情報が手に入ります。

      でも、その情報は提供した人が切り取ったものですし、シッポさんにはシッポさんの切り取り方があるわけです…。

      その切り取りを思考&試行・錯誤することに重きを置きたい、シッポさんかもしれません。

      「竹(林精舎)」にしても、暑い国だからこそ、寄り添うことで自身を守り人々に日陰を提供しているのだという気づきは新鮮でした。

      「見返りの丘」エピソードは、人間・ブッダを彷彿とさせます…ね。

      ブッダの逸話のなかで一番好きな部分です。

      では、また。

  2. しゅんりんちゃん より:

    こんばんは、シッポさん。

    日曜日の午後7時、お雛祭り♪のブログアップでしたのに

    出遅れてしまいました。

    ですが、旅行記⑦、ちゃんと拝見いたしました。

    ありがとうございます。

    「竹林精舎」はすごくガッシリした感じですが、

    これは本当に「竹」?と思ってしまうほどに

    逞しいですね。

    日本の竹林のイメージとは違いますね。

    細く、高く伸びた芯に上のほうにある葉。

    雨が降ると重みで垂れ下がってしまいますね。

    でも、この竹林精舎のは、ドーンとどっしりのように

    見えますね。

    ぜひ絶やすことなく、人々を迎えてほしいと思います。

    「継続は力なり…」

    私も続けていることあるかな…。

    また、「見返りの丘」の話しはとても身近なとらえ方が

    できますね。

    まさに「人間的」な行為のような。

    そこには温かい人の心の動きを感じます。

    ちょっと興味を感じます…。

    もう一つの興味は、マンゴーのお味は…

    いかがなもんでしょう?

    きっとおいしいと思います!!!

    さて、今日の一日を振り返ってみることにしましょう。

    (いつもはしたことありません…)

    では、おやすみなさい。

    • シッポさん より:

      しゅんりんちゃん

      いつも目を通していただいて&コメントを、ありがとうございます。

      情報だけならば取りあえず手に入る時代ですが、その中身となると直に知ってこそ見えることも多い…
      おそらく、旅に出たがる私の癖はここから来ているのでしょう。

      同じ「竹」にしても、その姿や生え方は私たちが身近に知っているものと明らかに違っていました。
      シッポさんは真竹や孟宗竹ぐらいしか知りませんが、きっと別の種類のものなのでしょう。

      いずれにしても、同じ「人」ではあっても皮膚の色を初め多くが異なっているのですから、当然でしょうね。

      人間・ブッダは、シッポさんならずとも身近に感じられる逸話です。

      果物にしてもあっさりした味-熟れていないようにも表現できるかもしれませんが-ですので、食事として楽しめました。

      さて、⑦までを読み返してみました。
      書かれている内容は、書きたいこととして整理されたものです。
      当然、全てを書いている訳ではないのですから、あれもこれもと補足したくもなりますが、
      問われるのは、「シッポさんの書きたいことは何?」ということになるでしょう。

      これからも、楽しみにしていただけるとうれしいです。

      おはようございます、なのですが、実はこれから「おやすみなさい」です。
      生活リズムが乱れちゃってます、反省。

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