「しっぽのないシッポさん」のブログ

秋 到 来


われもこう

画像は、秋の季語でもある「われもこう(吾亦紅・吾木香)」を中心に、数種の花材が盛り込まれた大きな籠です。「われもこう」の花は小花が密集し遠目には暗紫色の草の実のようにも見えるところから、小林一茶は「吾木香さし出て花のつもりかな」と歌っています。
籠の花々は、季節がその軸足を秋に定めたことを教えてくれているようです。

今月末30日は中秋の名月、ますます秋は深まってゆきます…。

さて、昨年(2011)の秋のことです。

私たち夫婦はお彼岸をはさんで数日の予定で、島根県・松江にある史跡小泉八雲旧居を訪れるべくドライブ旅行をしました。

 出雲神話街道を抜け… 

史跡小泉八雲(ヘルン)旧居へ…。
 
 
小泉八雲は、ラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn,1859-1904)の日本名、「『ヘルン』さん」は地元・松江の人々のハーンに対する敬称です。
旧居は、江戸時代中期に建てられた禄高五百石の松江藩士の武家屋敷です。
元松江藩士の娘小泉セツと結婚した八雲が、1891(明治24)年6月から11月に熊本・第五高等中学校に赴任のため松江を去るまでの約5ヶ月間を過ごしました。

八雲が居間として使用していた部屋からは、季節ごとの表情を見せてくれる庭園を三方に望むことができます。著書「知られざる日本の面影」※1にはこの屋敷と庭のことが書かれており、庭に住むカエルの大合唱のことやヘビに襲われたカエルを助けたことなどのエピソードが記されています。

八雲の身長に合わせて造られた机と椅子

八雲はアイルランド人の父とギリシャ人の母との間に生まれ、19歳のときにアメリカに渡り新聞記者として活躍しました。
その後、1890年、39歳のときに日本に取材に来たことをきっかけとして島根県尋常中学校および師範学校の英語教師となり、結婚し帰化(1896・明治29年)、
日本人としてその生涯を終えました※2。

八雲(ラフカディオ・ハーン)の生まれたギリシャ・レフカダ島はイオニア海に浮かぶ小島ですが、この旅で「レフカダ」が古代ギリシャ語で「彷徨(さまよ)う」の意味をもち、ハーンにとって松江・宍道湖の夕焼けがレフカダのそれを彷彿させるものであったということを知りました。

レフカダを彷彿させる宍道湖の夕焼け

八雲ファンとして、ハーンに限らず人生は単なる偶然ではなく深い物語性があるのだと改めて感じたことでした。

 

※1ハーンが来日後初めて書いた著作(1894年)。日本の印象や日本人の風俗習慣が西洋に対する紹介と報告という視点で書かれたもの。

※2東京・横浜に投宿、島根県・松江に赴任(1890・明治23年来日)、熊本に赴任(1892・明治24年)、神戸クロニクル社に転職(1894・明治27年)、東京・帝国大学文科大学講師として赴任(1896・明治29年/東大でも講義、その後、早稲田大学に招聘される)、心臓発作のため死亡(1904年9月26日享年54歳)。

 


この記事へのコメント

  1. ピアのっこさん より:

    あの、可愛いお花が、「吾亦紅」と言うのですね。
    シッポさんのお散歩の途中に 咲いていたのでしょうか。
    小さいお花がいっぱい集まって、楕円形のお団子のような、実のような、お花ですね。

    私の家の近くにもあるかな 吾亦紅

    吾亦紅のように、「自分もこうありたい」
    自分の主張を持って、生きていきたいな。

    • シッポさん より:

      ピアのっこさん
      吾亦紅に「自分の主張を持って、生きていきたいな。」と思いを重ねてのコメント…。
      表に出さずとも内に秘めていようとも、
      主張が自分の核になっているということが一番大切かもしれませんね。

      霊園までの山道は四季折々の草花が楽しめます。
      たまに、頂戴することもありますが
      自然を室内に招き入れる気持ちと、
      「取り尽くさない」というルールは大切ですね。

  2. しゅんりんちゃん より:

    「吾亦紅」って

    茎の先っぽに小っちゃい楕円の花?をつけていますよね。

    真っ赤じゃなく、紅色でしょうね。

    一昨年、阿蘇のあざみ台のお店で買いました。

    ドライフラワーにして楽しみました。

    季語が「秋」とのこと。

    買い求めたのも10月ごろでしたね。

    「吾亦紅」とのはじめての出会いでした。

    素朴な感じだけど、シャキッと背筋を伸ばしているような

    感じは「吾…」の名前の由来でしょうか。

    今年もあと3か月(早いですね)。

    私もちょっとシャキッとしましょう…そんな気分に

    させていただきました。

    シッポさん、ありがとうございます)^o^(

    • シッポさん より:

      しゅんりんちゃん
      「素朴な感じだけど、シャキと背筋を伸ばしているような」吾亦紅としゅんりんちゃんに刺激をもらい、
      思わずグーンと背伸びしちゃいました。
      ホント、その通り!「今年もあと3か月」です。
      今年はスローに過ごしましたので、来年はスローをベースに少しテンポアップしよう…と思っています。
      さて、どうなることやら。

      と、ここまで書いて気がつきました。
      来年のことをいうと「鬼が笑う」と…。
      まっいいか、笑ってもらいましょう。

  3. 紫陽花さん より:

    こんにちは。仕事が始まる前に…
    ワレモコウは、職場の受付に飾っています。少し前のブログを見ていただけたら~

    いよいよ秋ですね。
    職場のブログを毎日更新していると、様々な話題がほしくなり、また、季節のことも少しいれるので、季節に敏感になったような気がします。
    暑かった夏から、小さな秋を発見したときの喜びはひとしおでした。最近は、まだ暑さの残る夜の中で、秋の虫が一生懸命鳴いている、その声の力強さに驚かされています。…というより、少々違和感を感じることも。

    先日、久しぶりに図書館に行きました。読書の秋ですね~ 夏まではなかなか読書ができなかった私ですが、最近、漸く読めるようになりました。そんな時間を大切にしていきたいと思います。

    • シッポさん より:

      紫陽花さん
      「読書の秋ですね~」に、紫陽花さんならではの時間的余裕の見出し方を感じます…。
      今、どんな本をお読みですか?
      私は、堀江敏樹 1994 「紅茶で遊ぶ観る考える」 南船北馬舎 を手にとっています。
      どのような内容かは、以下の引用でご判断いただけるかと思います。
      「どうか紅茶をファッションとしてとらえるのではなく、あくまで飲み手が主体性をもって、文字通り日常茶飯の『お茶』としてじょうずにつきあってください。」
      私の紅茶に対する思いは同氏と同じですので、うれしくなります。
      紅茶を読書のお供に…、紫陽花さんも同じでしょうね、きっと。

       

  4. 紫陽花さん より:

    こんばんは!
    「読書の秋」・・・私が読んでいるのは「神様のカルテ3」ですね~  図書館では予約しないと借りられない新刊です。それが思わぬところから早く借りられるようになり、今まで読んでいた本をちょっと横に置いておいて読んでいます。
    今年の春からここに至るまでなかなか本に手を伸ばすことができませんでした。「読みたい」気持ちはあっても、「読めない」自分がいました。読みだすとすぐに魂がここになくなる・・・感じでしょうか?
    それが、漸く読めるようになりました!
    シッポさんのように「紅茶」とともに・・・ではありませんが、この秋は少しでも多くのことを吸収したいと思っています。
    私の周りには読書家がたくさんいます。シッポさんもその中の一人。尊敬します・・・

    • シッポさん より:

      紫陽花さん
      「神様のカルテ」は読んだことはありませんが、さすがの人気本ですから周辺情報は耳にしています。
      医師で小説家なる夏川草介氏によるものですね。
      シッポさんの読書?は、お勉強な本や資料など必要なもの(だけ)を読む傾向があるので気をつけなくちゃと思っています。
      「紅茶」本は、それに連なる人間ドラマと歴史に興味・関心があり読んでいます。
      ところで、ブログをアップしていて気づいたのですが、その昔読んだ作品が私を助けてくれているなあ…と。
      実は、林檎をいただいた時に、藤村の「初恋」とゴールズワージーの「林檎の樹:The Apple Tree」が思い出されました。
      後者は悲恋物語ということもあり取り上げなかったのですが、大好きな作品です。
      これからも、読書は友達ですね、きっと。

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